自動制御研究室ネットワーク構成

1998年7月2日

概説

自動制御研究室の LAN は全て Ethernet である。 中心には、3716TR スイッチが位置している。 他のハブは全ての星型にこのスイッチに接続している. 3716TR には 10Base-T が16ポートあり、 各々の机の島におかれた 10Base-T ハブと 数台のマシンが接続されていて、 各々独立したコリジョンドメインに分かれている。 また、100Base-TX のアップリンクポートが一つあり、 8 ポートの 100Base-TX ハブと接続している。 100Base-TX ハブは、NFS サーバ,NT サーバ, 学内ネットワークへのゲートウエイを収容している。 このようにして、各コリジョンドメインからファイルサーバへの 集中的なアクセスが衝突せず、ボトルネックにならない ようにしている。

3716TR スイッチに接続された 10Mbps ハブは合計6台ある。 二台のハブ(16 + 8ポート)は、大学院生の机の島の下に埋め込まれており、 個人のマシンとの接続を提供している。 今では20人を越える院生が全員自分のマシンで作業を 行なっているので、トラフィックの多いコリジョンドメインに なっている。 もう一台の 8 ポートハブと 12 ポートのブリッジングハブ SB3012TR は 4 年生の領域に置かれていて、研究室のマシンを接続している。 その他、山田教授・藤川教授用のマシン及び研究室所有の PCカード3com 3c589B もここに収容している。 3012TR は 1 ポートあたり 1 アドレスしか学習できない ハーフブリッジであるため、各ポートには別のハブはつなげない。 最後の 8 ポートハブは共用マシン机の島に置かれていて、 研究室のマシンが接続されている。 残る一台は 8 ポートの 10Base-5 transiever であり、 旧式の SUN ワークステーションや X 端末を収容している。

ハブ間接続を除いても、約 70 ポートを提供している。 このうち約三十ポートに研究室の機材が、 二十数ポートが学生の私物が接続されており、 残りの十数ポートは空いている。

接続図

CentreCom 908TX: 100Base-TX 8port Hub
100Mbps Backbone

CentreCOM 3716TR: 10Base-T 16port switch + 100Base-TX uplink

10Base-T 8port Hub #1 CentreCom820: 10Base-5 8-port transiever
  • 10Base-T 8port Hub #2
  • CentreCom SB3012TR: 10Base-T 12port Bridging Hub

    課題

    [1] 100Base-TX への緩やかな移行

    10Mbps スイッチを中心におき、各机のハブをここに集約、 そこから 100Mbps バックボーンにあるサーバ群に接続する、 という現在の形態になったのは '96 年夏。 ファイルサーバへの集中的なアクセスを捌くという狙いは、 達成されているといえる。 どのコリジョンドメインでも衝突率は高々 1% 前後で問題はない. 特にトラフィックが多いはずの 100Mbps ハブの衝突率が低い.

    それから 2 年経過し、100/10 デュアルスピードのスイッチ/ハブが 比較的低価格で登場してきたことから、サーバー以外のマシンに 100Mbps の接続を提供する機は熟してきた。 現在、研究室のマシンを順次 100Mbps のインターフェースに換装しつつある。 今後導入するマシンも、100Mbps が基準になる。 これは、ネットワークのバックボーンを 10Mbps/100Mbps デュアル スピードスイッチに換える準備である。

    LAN を高速化する意義は次のようである. クライアント・サーバコンピューティング環境において, LAN は一種の疎結合マルチプロセサシステムと見なせる. Ethernet は各ホストと外部との通信線というより, バスと考えなくてはならない. 従って、計算機のパフォーマンスの向上と連動して、 バスの転送速度も上げる必要がある.

    末端のハブの選択は多少問題である。

    要求
    エンドユーザに 100Mbps の接続を提供したい。 しかし、ユーザ側の準備が急にはできないので、 100/10 混在環境が当分続く。
    100Mbps スイッチの場合
    トラフィックの大部分はハブの外へ出ていくので、 100Mbps スイッチだと帯域幅は無駄になる。
    デュアルスピードハブの場合
    10の部分はただのハブなので、 100への移行が進むまで混雑緩和に貢献しない。
    100アップリンク付10スイッチの場合
    エンドユーザに100Mbps の速度を提供できない。

    そこで研究室のマシンの 100Mbps 移行を優先して,この夏には 3716TR を置き換える 16ports のデュアルスピードスイッチと、 SB3012TR を置き換える 16ports のデュアルスピードハブを 購入する計画を立てている.

    [2] ISDN Router

    INS64 に二台の TA、NTT D1-s と三双電気 ALEX-64/EX が接続されていて、 アナログ電話と二回線のアナログ 28.8kbps モデムが ppp 接続を提供している。 どちらもやや旧式化していて,Ethernet 接続の ISDN Router に換える ことにより以下の利点が得られる.
    1. 同期 64kbps の接続を提供できる.
    2. PHS からの PIAFS 対応 28.8kbps 通信を提供できる.
    3. D1-s 未対応のグローバル着信に対応するため, ダイアルイン料金 900円/月が節約できる.

    [3] 4年生の個人マシン

    電子情報工学科の学生が研究室配属になる頃には、 4年生の個人マシン向けの接続口を増やさなければならない。 研究室 X 端末の位置付けも含めて、検討が必要である。